結論:トークテーマはAIに考えさせる

ラジオ番組のトークテーマの見つけ方のイメージ図

この記事では、AIを活用したラジオ番組のトークテーマ探し方を解説します。
リスナーを引き込む魅力的な話題を毎回考えるのは、なかなか難しい課題ですよね。収録回を重ねるごとにテーマが枯渇していく、こんな悩みをお持ちではないでしょうか?

弊社はたくさんのラジオ番組を制作していますが、パーソナリティーの皆さんから、よく相談を受けます。
ラジオパーソナリティーたちが一度は悩む壁、トークテーマが尽きてしまった場合の対処法について解説します。
「次は何を話せばいいんだろう・・」と毎回悩むストレスから解放されることでしょう。

なお、本稿はラジオパーソナリティーの悩みを切り口にしていますが、YouTubeやライブ配信など、構成と原稿を考えるあらゆるコンテンツ制作者の皆さまにもヒントにしていただけると幸いです。

本記事を読むべき人
  • ラジオ番組の収録にあたりトークテーマを考えることに疲れてしまった人
  • AIによるトークテーマの提案を取り入れることで、ラジオ番組の質を向上させたい人

トークテーマを考え続ける大変さ

ラジオ収録マイクと原稿

ラジオ番組を運営する際、魅力的なトークテーマを見つけることは重要な課題。リスナーを引き込み、興味を持ってもらうためには、新鮮で興味深い話題を用意する必要があります。
ところが、トークテーマを毎回考えるのは容易ではありません。特に、独創的で魅力的なアイデアを継続的に生み出すのは、さらなる挑戦となることでしょう。

毎週レギュラーで収録があるとすれば年間で52週。すなわち1年で、少なくとも52個のトークテーマが必要となります。
さらに番組としてのコンセプトが定まっているが普通であり、そのジャンルやカテゴリーの中で数多くのテーマを拾い続けていくのは大変です。

AIツールを活用する

2023年に入ってから、怒涛のAIブームが到来しました。文章、画像、動画、イラスト、音楽、音声などあらゆる制作物がAIにとって替わられつつあります。トークテーマを考えることなんて、AIの得意中の得意領域です。

AIの力を借りることで、トークテーマの発見がより効率的になるとしたら、その方法を知りたくありませんか?AIは膨大なデータを解析し、トレンドや興味深い話題を提示することができるため、ラジオ番組の企画に有益なアイデアを提供してくれます。
であればトークテーマなんてものは、1年分でも2年分でも、AIに一気に提案してもらいましょう。

ラジオパーソナリティーの皆さまは、「次は何を話せばいいんだろう・・」と毎回悩む必要はありません。

ChatGPTにトークテーマを考えさせる

先日、弊社のラジオパーソナリティー募集ページで知り合った方々と、オンラインでディスカッションする機会がありました。
ラジオの新番組立ち上げに関するミーティングで、パーソナリティー候補の方から「トークテーマの枯渇」に関する懸念が話題に。
「番組スタートして初期のうちは話したい話題が沢山あるから大丈夫だろうが、そのうちトピックがなくなったらどうしようか」と質問を受けたのです。

そこで私は、ChatGPTにトピックを考えさせる案を出しました。ChatGPT(チャットGPT)とは、ユーザーが入力した質問に対して、まるで人間のように自然な対話形式でAIが答えるチャットサービスです。

その企画は、「美術について語るラジオ番組」という方針まで決まっていたので、ChatGPTに対して下記のように相談しました。

「美術を題材にしたラジオ番組をやっています。トピックのテーマを10個挙げてください。」

ごくシンプルなプロンプト(指示)ですよね。
すると、下記のようにレスポンスがありました。かかった時間は5秒ほどです。

  1. 「美術鑑賞の楽しみ方」
    美術作品の見方や感じ方を紹介し、聴衆に美術を楽しむコツを伝える。
  2. 「名画の謎に迫る」
    有名な美術作品や画家の背景に隠された謎やエピソードを探求する。
  3. 「美術と音楽のコラボレーション」
    美術と音楽の融合や、美術作品からインスパイアされた音楽に焦点を当てる。
  4. 「美術家インタビュー」
    現代の美術家や画廊オーナーなどを招き、彼らのアートに対する情熱やアプローチについて語る。
  5. 「美術と社会」
    美術が社会に与える影響や、美術が抱える社会的問題について考察する。
  6. 「美術の歴史をたどる」
    美術の歴史的な背景や流れを紹介し、様々な時代の名作を取り上げる。
  7. 「世界の美術館紀行」
    世界各国の美術館やギャラリーを紹介し、そのコレクションや特徴について探求する。
  8. 「美術の未来を考える」
    美術の未来における展望や新しいアートの動向に焦点を当てる。
  9. 「アート・フェスティバル特集」
    国内外のアート・フェスティバルや展示会の情報を提供し、アートイベントの魅力を紹介する。
  10. 「美術と哲学の対話」
    美術と哲学の関係性や美術が引き起こす哲学的な問いについて深く考える。

いかがでしょう? 次回の収録テーマは、この中から選べばよいだけ。
10個と指示したから10個出てきましたが、100個も200個も望めば提案してくれるかもしれません。
「三人寄れば文殊の知恵」という言葉はありますが、それも今は昔の話。もっといい方法がありますよ!

AIの力を借りることで、トークテーマの発見がより効率的になるわけです。AIは膨大なデータを解析し、トレンドや興味深い話題を提示することができるため、番組の企画に有益なアイデアを提供してくれます。

AIの提案を更に掘り下げる

ラジオ収録する女性パーソナリティー

上記は「トークのテーマ」として挙げてもらったわけですが、私はこう思いました。

ミュージックバンカー代表者

これ、それぞれが一つのコーナー企画になり得るんじゃない?

確かにどれも、毎回のトピックとして興味深い題材ですが、この10個をもう一つ上の階層(番組のコーナー企画)に昇格させ、それぞれに対して更に細分化させたトークテーマを改めて見つけられるのではないかと。
例えば、毎回の番組レギュラー構成において、下記4つの企画を定番コーナーとして採用。

  • 「美術鑑賞の楽しみ方」(初心者向け美術鑑賞講座)
  • 「名画の謎に迫る」(名作紹介コーナー)
  • 「美術と音楽のコラボレーション」(音楽紹介コーナー)
  • 「美術家インタビュー」(ゲストコーナー)

一つのトークテーマをさらに広げる

そこで、ChatGPTに更に下記指示を。

「"美術鑑賞の楽しみ方" - 美術作品の見方や感じ方を紹介し、聴衆に美術を楽しむコツを伝える」

このテーマを、ラジオ番組内における、一つのコーナー企画とします。 そして、本テーマカテゴリーの中で、トークのトピックを10個挙げてください。

すると、悩むことも、文句の一つもなく、直ちに下記のレスポンスがありました。

  1. 「色彩の魔法」
    聴衆に美術作品の色彩が持つ意味や感情への影響を紹介し、色彩が美術作品に与える魅力について語る。
  2. 「作品に込められたストーリー」
    美術作品に込められたストーリーやテーマ性を読み解き、作品の深層を探求する。
  3. 「アーティストの表現手法」
    画家や彫刻家などのアーティストが使用する異なる表現手法や技術に焦点を当て、その個性を理解する。
  4. 「美術作品の背後にある歴史と文化」
    美術作品が生まれた背景にある歴史的・文化的要素を紹介し、作品の意味を理解する。
  5. 「美術作品のインスピレーション源」
    アーティストが作品制作においてインスピレーションを得る要素や場所について取り上げる。
  6. 「美術作品の評価と鑑定」
    美術作品の評価基準や鑑定のプロセスについて専門家に取材し、聴衆に理解を深める。
  7. 「名作再解釈」
    有名な美術作品をさまざまな視点から再解釈し、新たな発見をする試みを行う。
  8. 「美術と感性の関係」
    美術作品に触れることで醸される感情や感性の表現について、リスナーからのメッセージを紹介する。
  9. 「美術鑑賞のための実践的アドバイス」
    美術鑑賞の際のマナーや注意点、ギャラリーや美術館の訪れ方などについて紹介する。
  10. 「美術と日常生活の融合」
    芸術を日常生活に取り入れる方法や、美術作品が日常に与える影響について考える。

これらのトピックを通じて、聴衆により深く美術を理解し、楽しむためのヒントや知識を提供することができます。

良いじゃないですか!具体的に台本の冒頭は、下記のようになりそうです。

FMラジオのパーソナリティー

「それではさっそく最初のコーナーに参りましょう。『美術鑑賞の楽しみ方』!
このコーナーでは毎回、初心者でも美術鑑賞が楽しめるコツについて紹介します。
本日のテーマは『色彩の魔法』について。
美術作品の色彩が持つ意味や感情への影響を紹介し、色彩が美術作品に与える魅力について語ちゃおうと思います!」

ラジオ番組の原稿台本を作ってもらう

作ってもらえるのはトークテーマだけではありません。ラジオの原稿台本そのものも、作成依頼することも可能です。これでラジオパーソナリティーの皆さんの労力は半減できることでしょう。

ChatGPTに、下記のようにお願いしてみました。

下記トピックについて、5分の尺で語れるよう、ラジオ番組の原稿を考えてください。なお、フレンドリーな口調でお願いします。

■「色彩の魔法」 - 聴衆に美術作品の色彩が持つ意味や感情への影響を紹介し、色彩が美術作品に与える魅力について語る。

すると、下記のようにレスポンスが(笑)

ChatGPT

もちろん、このまま使えるかどうかは微妙ですが、ラジオ原稿づくりの叩き台にはなるでしょう。
トピックはAIに考えさせ、作業はAIに任せる。クリエーターという言葉は、「AIに的確な指示ができる人」のことを指す時代になりました。

我々は、AIができない部分に注力しましょう。
すなわち、ラジオパーソナリティーとして、リスナーを惹きこむトークの技術を高める、といった部分がそれに当たります。

今回のまとめ
  • ラジオ番組のトークテーマはAIに挙げてもらおう
  • AIを活用すれば、コーナー企画や原稿台本まで作ってもらえる
  • ラジオパーソナリティーは、トーク技術を高めることに注力を

ラジオ運営に関しても、AIを活用したトークテーマの探し方を学ぶことで、より多くのリスナーにアプローチできる可能性が広がります。独創的な話題で番組を充実させ、視聴者との共感を深めることができるでしょう。

なお、AIを活用する際には、番組のコンセプトやターゲット層に合ったトークテーマを選定することが大切です。また、AIが提示するアイデアをベースに、パーソナリティーやゲストの個性を活かしたトーク展開も行えます。
AIによるトークテーマの提案を取り入れることで、ラジオ番組のクオリティを向上させましょう。