ライブ歴、作品歴、受賞歴

活動歴のイメージ

プロフィール作りの重要性を語り、宣材写真文字要素のファクターに触れてきましたが、最後の項目、ここがメインディッシュです。

それが実績の証明。これまでの活動歴を棚卸し、リスト化して示す。これまでどのような活動をしてきたのかを時系列でまとめてみましょう。

質より量なのか、量より質なのか、項目によって考え方は変わるかもしれません。
ここでは、大まかに ①ライブ歴、②作品歴、③受賞歴 と3つのファクターに分けて考えていきたいと思います。

中にはまだ何も書くことがない人もいることでしょう。そのような人はどうすればよいのか、考え方を解説します。

音楽アーティストに向けたコラムにしていますが、声優ナレーター俳優タレント、基本的にどのジャンルでも同じと考えてください。

本記事を読むべき人
  • プロフィールを作りたい人
  • これまでの活動歴を実績としてPRしたい人

ライブ歴

一番書きやすい項目がライブ活動歴です。
音源を制作したり、CDを出したりすることは、費用的にも敷居が高いし、望んで即実現できることではありません。

でも「ライブに出る」というアクションであれば、ツテを頼ってイベント主催者を紹介してもらうなり、ライブハウスに直接相談するなり、直ちに行動に移せることです。

しかし、それが故に、落とし穴にも注意したい。
ライブ出演歴は、多ければ多いほど良いというわけではありません。「ライブ歴が多い=インパクトある」とはなり難いものです。
むしろ、「ライブ回数が多いのに売れていないんだねぇ」というマイナスイメージすら付くことがあります。

例えばチケットノルマ制の地元のライブハウスに100本主演したことを列挙するより、「サマーソニック20XX出演!」と一発書いてあるほうが有効でしょう。

ライブ活動歴はいくつ掲載すべき?

現時点の皆さんにとって、この数年に主だった上位5つのイベントを記載してみてください。
ライブ出演歴は選定された5つが記載されていれば十分
新たに有力なライブ出演経歴が増えれば、入れ替えてください。

ただし、記載するライブ出演歴の間隔は、あまり空けないよう心がけましょう。
2019年の後が2022年だったとすれば、「2年間、何やってたんだ?」となります。
「制作に打ち込んでいました」、と言い訳することも可能ですが、ライブが1本も無いのは、やはり逃げに聞こえます。

ライブ活動を行うことは、常々意識はしておくこと。ただし、価値のあるイベントに出ることです。
理想的には、毎年1~2本、ビックイベント名を記載したい。

また、さらに望ましいのはワンマンライブ。小さなブッキングライブに年間20本出るよりも、年1回のワンマンライブで毎年200人を着実に集めています、という実績のほうが100倍上。

ということは、年に最低1つ、そのようなライブ出演実績を作れるよう目標設定する必要があると言えます。

作品歴

こちらは多いほどインパクトはあるかも知れません。ひとつひとつは小さくてもいいから、毎年階段を駆け上がっているような印象があるとGOOD。

事例
  • 2018年 コンピレーション「●●」参加 (M-2「●●」)
  • 2019年 自主制作にて「□□」ライブ会場限定リリース
  • 2020年 インディーズレーベルよりアルバム「▲▲」全国発売
  • 同年 誰々の3rdシングル「○○」にてフィーチャリング参加
  • 2021年 配信限定シングル「■■」がiTunes R&Bチャートウィークリー1位を獲得
  • 同年 インディーズレーベルよりアルバム「△△」全国発売
  • 2022年 待望のメジャー1stシングル「◎◎」発売決定!

よくある流れです。参考までに。

「あぁ、順当にコマを進めてるな」、という感じがしませんか?
重要なのは、このようなシナリオを初めから想定し、それに基づいて行動するということです。

目標から逆算して自分史を作る

上記例では、世に出す初めての作品からメジャーデビューまで4年かかっていますが、この流れ、全く遅くはありません。
「待望のメジャー1stシングル」の2022年を23歳に設定したければ、小さくとも初めての作品を19歳に出せば良いだけ。

例えば、そこに行き着くまでに歌唱力を上げるため、ボイストレーニングなどで2年かかるとしましょう。

であれば、最初のアクションは17歳から始めるべきです。
歌の訓練を始めれば、音楽関係者のつながりができやすい。真剣に取り組み、成長が見てとれれば、そんなあなたに感心した業界の大人たちが、最初のチャンスをくれるでしょう。

ミュージックバンカー代表

コンピレーションアルバムの企画があるんだが、1曲提供してあげるから入ってみないか?

など。

そういう環境が欲しい方は、弊社主催のアーティスト育成機関「ホワイトボイス」を頼ってください。

ほとんどの人は何もないところから、上記で言う「2022年」の段階を、いきなりスタートとして望んでしまうから、上手くいかないのです。
そんなに甘くはありません。ステップを一段ずつ登り確実に実績を積み、プロフィールを貯めませんか?

それが即ち「プロフィールの作りの重要性」に記載した、「プロフィールを作ろうとすることで、自分が今やるべきことが見えてくる」ということなのです。
積み上げには時間と、そして自分を信じて具体的に行動する力が必要です。
急がば回れ。その覚悟が無い人は今すぐアーティストになる夢は断念してください。
いきなり「来年は武道館です!」ではありません。

受賞歴

受賞歴といっても、アーティストの場合は、「コンテストで最優秀賞」というよりは、ランキング、または数字で訴求する方がいいかもしれません。
もし「オリコンウィークリーチャート、1位!」なんて書けたら、凄そうですよね。
今の時代、そのステータスに価値があるのかは置いておいて、何もないよりは明らかにインパクトあります。

キャッチをつくる

では今の皆さんが狙えること、それは何か?何でも良いのです。
作品をリリースできる段階にあるなら、例えば下記。

  • 「歌詞検索サイト●●でデイリー1位」
  • 「iTunes □□ジャンルにてウィークリー1位」

プロフィールの文字要素を考える」の回で例として出てきた

  • 「タワーレコード××店のデイリー店内チャート1位!」

でも充分。

数のインパクトで勝負するなら、例えば下記。

  • 「YouTube再生数、50万再生」
  • 「インスタフォロー数、5000人突破」

この際、もっと小さなフィールドでも良いです。

  • 「ライブハウス●●の、年間集客数1位」

など。

でも必ず1位か2位、または相対的に注目されてしかるべき数字を狙ってください。

受賞歴はキャッチです。作品歴と同じで多いほどインパクトはありますが、やはり質にも気は使いたいところ。
アーティストの成長と共に、価値に見合ったものに差し替えていってください。
オリコン5位に入るアーティストが、「○○町夏祭りカラオケ大会優勝」といつまでも掲げてたら違和感あります(笑)

実績を書くことがない人は

活動を始めたばかり、といった状況で、ライブ歴、作品歴、受賞歴が何もないという方は、どうするべきなのでしょうか。
受賞歴の項目で挙げたような例ですら、遠い感覚の方も多いことでしょう。

結論から言うと、無理して書く必要はありません

ないものは、ない。

実績リストがプロフィールシートのメインディッシュだからと言って、中途半端にひり出すより、空欄にしていたほうが潔いと思います。

私も、弊社主催の所属オーディションで、志望者の方から多くのプロフィールを受け取ってきましたが、あまり自慢にならないような活動リストが並んでいると、食傷気味に感じてしまうことがあります。

そのかわり、目を引く宣材写真や、その人の背景がよく解るプロフィール文にこだわりましょう。
「この人なら、今から活動実績を重ねていけそうだな」と思わせる方が、将来性に期待でき、有利な印象を引き出せます。

活動歴は最強の身分証明書

プロフィールは小まめに更新を重ね、徐々に価値やグレードを上げ、成長させていくものです。
そのために、初めに青写真を作り、想定どおりに描けるように活動歴を積み重ねていく。

プロフィール作りは、過去の履歴を羅列していくものだけではなく、未来に向かって築いていくものだと心得てください。
皆さんの活動は、アーティストしての価値向上と連動する、最強の身分証明書になることでしょう。

今回のまとめ
  • ライブ歴は量より質が重要
  • 作品歴は毎年階段を駆け上がっているような印象を
  • 受賞歴はランキング、または数字で訴求

ちなみにミュージックバンカーのオーディションでは、プロフィールの提出はマストではありません。ただし、自分をPRするために一生懸命資料作りした、という印象は有利に働く可能性はありますよ!

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