井龍子 | ナレーターインタビュー
ナレーターオーディション応募者の声
一度は離れて気づいた表現者としての自分
三浦 ナレーターを目指したきっかけは何ですか?
井 小学生の頃、はじめは映画が好きで外画の吹き替えがやりたいと思い、声優を志しました。学んでいくに連れて表現するということ自体に魅力を感じるようになり、今は声での表現を生業にするということが目標になりました。社長もおっしゃっていたことですが、SNSやサブスクなどの一般化に伴い、動画の合間のCMが増える。流すCMも多様化する。ナレーターは、これから演劇方面で表現者としてやっていくのであれば最も需要があるものの一つであるとの考えから、現在はナレーターと名乗るのを目標にしています。
三浦 ミュージックバンカーのナレーターオーディションを受けようと思ったきっかけは何ですか?
井 30歳を転機に一度演劇から離れていたのですが、何かやりたいという気持ちを捨て切れずにいたところに募集を目にしたのがきっかけでした。一番はタイミングが良かったからですね。 ちょうどどこかのオーディションを受けようと思い探していたとき、最初に目に入ったのがミュージックバンカーのナレーターオーディションでした。
三浦 一度はやめてみて、改めて本心に気づいたということでしょうか。実際にオーディションを受けて、何か気づいたことや、得たものはありましたか?
井 どうしても緊張はするものだと思いますが、時には開き直ることで良い結果に転じることもあるということです。案件のオーディションなどを受けさせていただくこともあるのですが、結局力んでしまい練習より上手にやろうとして失敗するので大事な気付きを得たと感じています。
また初めは圧迫的かと思っていましたが、しっかり向き合って、寄り添ってくれる感じが好印象でした。
ナレーションの良さ=情報収集
三浦 ナレーターを目指していくにあたり、必要だなと思った、または感じたスキルはありますか?
井 相手の求めていることを察するスキルは大事だなと感じます。私自身それが足りているとは全く思っていないのですが、CMや企業様の案件にしろ「なにを」最も聞き手、受け手に伝えたいのか、文言だけでなくホームページや活動の内容からの印象を得て、表現するのがナレーター、演者としての仕事なのかなと思っています。
三浦 ただ原稿を読むのではなく、情報収集を行ったうえで表現をされているのですね。非常に良い姿勢です。では、ミュージックバンカーを通して得られた経験や、学び、成長についてはいかがでしょうか。
井 現役のプロの先生からマンツーマンで教えていただくことができるので、授業の度に自分の中の演技の枠のようなものがぐぐぐっと広げられているような気分です。役の捉え方や練習方法など様々ですが、一番はあんなふうに芝居できるようになりたいというモチベーションを頂いている気がします。またそういった明らかに自分より上手な方を身近に感じることで、テレビなどで流れてくるものにも、遠くのことではなく自身のやっていることの延長上にあるものだと学びを得られるようになったと感じています。
オーディオブック案件の獲得
三浦 今年はオーディオブックのナレーションをされていますね。しかもぜひ井さんにとオファーをいただいて。
井 はい、ミュージックバンカーのHPに載っている自分のボイスサンプルを聞いて指名をいただきました。それまでは、ベテランのプロのナレーションは雲のうえのような存在でしたが、それぞれ意図して演じているということを肌で感じていました。
オーディオブックのナレーターを担ってみて、率直な感想としては色々と足りないところを結果に出る形で叩きつけられるのでとてもきついです。聞き返してみると言い間違えなどが多く、下読みの半分程度の成果…。
体力もですし、声に出して読むという行為を呼吸するようにできるための慣れが全く足りていないと痛感しました。
それでも一本録り終わってみるとまたやりたいと思えるので、考えることや表現することの楽しさも再確認できました。
これはミュージックバンカーに所属したからできたことだと思います。オーディオブックは再オファーももらったので、より良い読みを目指して日々取り組んでいきます。
三浦 オーディオブックはいきなり三部作のオファー。第一部、第二部と進むにつれて、読みの精度も確実に上がっていますね。Audibleでも聴いています。最後に、ナレーターを目指している人に一言お願いします。
井 私達がやろうとしていることはとても難しく、思い通りにならずもどかしいことも多いです。ですがその分上手くできたとき、結果が出たときの喜びも大きいので楽しんでやっていきましょう。私も頑張ります!
井龍子(ミュージックバンカー所属ナレーター)
見た目とは裏腹に渋い声で魅せるナレーター
ナレーターとして活動している井龍子。事務所や収録ブースに入る前は、いつも一呼吸置いてスイッチを切り替えている。物腰柔らかで優しい笑顔の反面、非常に太く、渋い声から女性役の声も出せる。引き出しの多いナレーターの一人。
趣味と特技は、TRPG、歴史、ゲーム、けん玉。
主な活動歴
ナレーション: JGコーポレーション 男性役 WORK FIT、採用&ブランディング TVCM、Vision Movie、弥生会計オンライン、
GHIT Fand
ラジオ: かわさきFM「エンタメコロンブス」パーソナリティ
オーディオブック: 小さき王たち 第一部:濁流、小さき王たち 第二部:泥流、小さき王たち 第三部:激流、ウッドストック行最終バス、キドリントンから消えた娘