益田舞 | ナレーターインタビュー

ナレーターオーディション応募者の声

益田舞のメイン写真

「声」を通じて、必要な人へ情報を届ける――ナレーター・益田舞の挑戦

塚野:本日は、ナレーターとして活躍されている益田舞さんにお話を伺います。よろしくお願いいたします。

益田:よろしくお願いします。

塚野:まず、益田さんがナレーターを目指したきっかけを教えてください。

益田:以前、営業職をしていたときに、自社で販売していたeラーニング教材のナレーションを「社内でやってみないか」と声をかけていただいたのが始まりでした。実際にやってみると、声を録音することだけでなく、原稿の内容を深くリサーチする過程もすごく楽しくて。「もっと続けたい」と思い、この道を志しました。

塚野:お仕事での経験が転機になったのですね。現在はどのようなジャンルのナレーションを担当されていますか?

益田:最近では、ずっと憧れていた美術展の音声ガイドを担当させていただきました。念願のお仕事だったので、とても嬉しかったです。

塚野:益田さんご自身の「声の強み」はどこにあると思われますか?

益田:中音域から中高音にかけての、穏やかで優しいトーンだと思います。周囲からはよく「お母さんっぽい声」と言われますね。

塚野:確かに、今お話ししていても非常に安心感があります。数ある事務所の中で「ミュージックバンカー」を選ばれた理由も教えてください。

益田:私は養成所に通っていたわけではなく完全に未経験からのスタートだったので、オーディションを実施してくださる機会自体が非常にありがたかったです。また、代表が忌憚のない評価や意見を直接伝えてくださる点も、自分を磨く上で魅力だと感じました。

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感情を「身体的な変化」で捉える独自のメソッド

塚野:ナレーションをする上で、益田さんが一番大切にしていることは何でしょうか。

益田:「素晴らしい製品やサービスがある」という情報を、声を通じて幅広く届け、それを必要としている人にリーチさせることです。そのために必要なスキルを常に磨き続けることを大切にしています。

塚野:原稿を読む際に、特に意識しているポイントはありますか?

益田:最近は、文章から感じる感情と合わせて、「体にどんな変化が起きているか」に着目しています。

塚野:具体的にはどのような感覚なのでしょうか?

益田:例えば、「胸がギュッとする」とか「自分の体が少し大きくなったような気がする」といった身体感覚です。実は以前、周囲から「感情が表現に乗っていない」と指摘されることが多く悩んでいた時期がありました。その際、「気持ち」を込めようとするよりも、それに伴う「体の変化」を観察するようにしたことで、表現の突破口が開けた感覚があります。

塚野:精神面だけでなく身体面からアプローチされているのですね。これまでの仕事で特に印象深かった案件はありますか?

益田:初めて担当したラジオCMのナレーションです。時間の尺(長さ)がかっちりと決まっている中で、BGMの始まりと終わりに完璧に合わせて読み進める作業は、非常に緊張しましたが印象に残っています。

塚野:逆に、難しさを感じた案件はありますか?

益田:以前担当したマニュアルのナレーションですね。感情をどこまで込めるべきかの判断が難しく、かといって普通に読みすぎると棒読みになってしまう。最終的には「情報が正しく伝わること」に注力することで乗り越えることができました。

塚野:日々の技術向上については、どのようなトレーニングをされていますか?

益田:ボイストレーナーの先生に教わったワークや、体のメンテナンスを行っています。特に滑舌にはまだ課題を感じているので、教わった「ラ行」のトレーニングなどを毎日欠かさず行っています。

塚野:ナレーターという職業の魅力と、逆に大変だと感じる部分はどこでしょうか。

益田:AIで何でもできてしまう時代だからこそ、「人間の声」でしかできない表現に携われていることが大きな魅力です。大変なのは、この世界には「唯一の正解」がないことですね。オーディションなどでは、自分なりの正解を提示し続けなければならない。そこが難しさであり、一番のやりがいでもあります。

塚野:プライベートについても伺わせてください。普段のリラックス方法は何ですか?

益田:子供がまだ小さいため、以前のように趣味の登山や旅行へ行くのは難しいのですが、今は家でコーヒーを淹れて映画やアニメ、ドラマを観る時間が癒やしになっています。音楽も大好きで、藤井風さんやハードロック、ヒップホップなどジャンルを問わず聴きますね。

塚野:生活習慣で、声のために気をつけていることはありますか?

益田:うがいと鼻うがいは毎日欠かさず行っています。あとは、私はロングスリーパーなので、しっかり睡眠をとること。体力を維持することが、声の調子を保つことにも繋がっています。

益田舞

踏み出す勇気が、新しい道を作る

塚野:最後に、ナレーターを目指す方々へメッセージをお願いします。

益田:もし「やりたい」という気持ちがあるなら、まずは一歩踏み出してみてください。私自身もそうして道が開けました。

塚野:スクールに通うべきか悩んでいる方も多いと思いますが、ご自身のご経験からはどう思われますか?

益田:独学で活躍されているプロの方もいらっしゃいますが、私にとってはスクールに通うことが必要でした。技術の向上はもちろんですが、スクールを通じて多くの人に出会えたことが、今の仕事に大きく活きていると感じるからです。

塚野:最後に、仕事を長く続けていくために必要なことは何でしょうか。

益田:課題を細かく分解して、その小さなステップの中に一つでも「楽しい」と思えることを見つけること。それがあれば、きっと長く続けていけると思います。

塚野:益田さんの真摯な姿勢が伝わるお話でした。ありがとうございました。

益田:ありがとうございました。

益田舞(ミュージックバンカー所属ナレーター)

益田舞

未経験から道を切り拓く

未経験からナレーターの道へ進んだ益田舞。原稿理解の楽しさに魅了され、現在は美術展の音声ガイドなど幅広く活躍しています。穏やかで優しい声質を強みに、感情を「身体の変化」で捉える独自の表現法を確立。ラジオCM収録での緊張感や、マニュアルナレーションの難しさも経験しながら成長を続けています。日々のトレーニングや体調管理を大切にし、AI時代だからこそ人間の声の価値を追求。挑戦する勇気の大切さを語ります。

主な活動歴

ナレーション: IT系教育企業,eラーニング教材,ヘルスケア機器紹介動画,ディスプレイ機器紹介動画, ミュージックバンカーラジオCM,トラベルガイドPokke「工+藝」京都2025に参加する現代工芸作家47名の作品への思い